ひねもす ちはやふる
HN福ら雀による、漫画「ちはやふる」に関する思ったことのつれづれ考察。 基本的に、否定より現状肯定、貶すより良いほうに捉えることをメインのスタンスとしています。感想より分析が好きです。 支部もやってます↓ http://www.pixiv.net/member.php?id=11693593
BE・ LOVE 4号 ちはやふる 161首 あらすじ•感想
- 2016/01/30 (Sat) |
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◇サツキ様◇
拍手コメントありがとうございます^^。
第160首、胸熱でしたよね・・・!その続きが半月で読めるなんて、嬉しいですよね!
さて待ちに待った、その第160首の続きです…!
先にびらぶ4号の周辺情報を。
① 「ちはやふる」上の句試写会が、大津であるそう!
いいな・・・!行きたいな・・・!
キャストの登壇はない予定だそうですが、ぜひお近くの方申し込んでみてくださいませ。
(私は前号の試写会を申込みました。当たるといいのですが・・・!)
② そして!なんと!
ちはやふるラッピングトレインが、復活!
わーい、嬉しい!
前回乗り損ねていて、とってもとっても残念だったのです。
出発式は2/26、大津の試写会と同じ日だそうです。
うう・・・いいな・・・
写真は、昨年のラッピングトレインが載っていましたが、
「新しいラッピングは果たして?!」とあるので変わるのでしょうね。
うう、今回こそどこで乗りに行きたい・・・!
③ 裏表紙の返しには、「講談社26誌 連合試写会」が!
2000組4000名に当たるそうで、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の会場です。
(えっ福井がない!)
新は上の句あんまり出てこないと聞いていますが、
下の句には出てくるはずと思うので、下の句は福井でも試写やってほしい・・・!
下の句は4/29公開なので、春の芦原温泉ちはやweekで、花見とともにやったりしないかな・・・。
そしたら予定が合えばぜひ行きたいです。
さて。
末次先生、先日twitterでこう仰ってました。
「今発売中のBE LOVE3号、とてもとても物語的に大事な回です。
30巻を読んだ直後の皆さんも、うっかり読んだらいい…大変なことになってるから。
描きながら「これは大変なことになったな…」と思ってしまったくらい。
あの子たちの運命にぜひみなさん付き合ってやって下さい。」
「あの子たち」。
私の中では漠然と複数でイメージされていたのが、161首を読んだ後、くっきりとその姿が浮かんできた気がします。
161首も、熱い回でした。
***以下、本誌も161首もネタバレですので、ご注意ください。***
161首も扉なし、いきなり本編スタートです。
団体戦の決勝と3位決勝戦が行なわれる勧学館。
どうして
どうして
菫ちゃんとかなちゃんは繰り返す。
どうしてここにいないの 真島先輩
真島部長だけなのに きっと この対戦の
本当の意味がわかるのは 真島部長だけなのに
向かい合う、千早と新。
千早と新の真剣なまなざし。
そして、太一――――
テレビ番組は実験等を終えてトークタイム収録中。
唇をとがらせているのは、名人と詩暢ちゃん。
ひらがなの置かれた場所を暗記したあと、その場所を示す反応速度を計る実験では、
ふたりとも平均的大学生を大きく下回る結果ということに不満を表明しているらしく・・・・
「しかし やり方を変えるとその結果が反転するんです」
文字の一部を逆向きにおいたり、指示する文字を見るのではなく「聞く」場合、
ふたりの反応速度は格段にあがったという。
まさしく、競技かるたのスタイルに特化して磨かれた能力、ということに。
スポットライトの外で、
「ねえ君も札がひっくり返っても同じように見えてるの?」
とスタッフさんに聞かれ、「あ…そうですね」と答える太一。
太一の眼は引き続き名人とクイーンに。
「あとぼくは 読手さんの声で〝色〟が見えて というか 聴こえて?
同じ色の札を取りに行くことがあります」
と、名人。
「い…色が…聴こえる…」
と度肝を抜かれた司会者。
そこへ。
「うちは 札はみんな こんくらいの 小さな神様みたいに見えてます」
とにっこりと語る詩暢ちゃん。
「擬人化ですか?」
「最初50人もいるから 超うるさいです」
「話すんですか?」
「みんな とっても かわいくて わがままです♡」
不思議ちゃんだ!
歴代クイーンはたいてい不思議ちゃんって有名だもんな
とすっかり詩暢ちゃんシフトになるスタッフ。
あれこれお喋りする、札の小さな神様たち。
その神様たちの小さな手と指で握手する詩暢ちゃん。
その、愛おしげな表情。
「この子たちと この札たちと 離れずに生きていくのが 私の夢です」
そんな詩暢ちゃんを見つめる太一。
涙をこぼしながらの詩暢ちゃんの「私の夢です」には、スタッフさんたちもしびれてすっかり応援団に。
『僕の番組だったのに』と和菓子をほうばる名人。
『詩暢の番組になったわ』とお母さんはガッツポーズ。
太一の脳裏によみがえるのは「あれは努力の人だよ」という名人の言葉。
その太一の前で、詩暢ちゃんは札の枚数チェックのように見えながらも、百枚の札に挨拶をしていた。
『ここまで 札を愛しいと思ったことがあるか?』
自分に問いかける太一。
「君はどうするの ぼくはおやつ食べにいくけど」という周防さんに「帰ります」と告げる太一。
〝努力の人〟
近づけるような気がしたって
結局見るのは絶望だ
ああはなれない
ああはなれない
ぎゅっと目を瞑る太一の耳に入っていたのは、スタッフの言葉。
「ああはなれないよなあ だって・・・」
「でもさーがんばってもなれねえレベルだろー」
太一は、はっと目を見開く。
「だって」と「でも」は
男が使う言葉じゃありません
母の言葉を思い出したところで――
目の前に突き出されたのは、喜八洲総本舗のきんつばの包み。
名人が「おみやげ 親御さんに」と言って渡そうとするのに、
「は?!いりませんよ」と断る太一。
固辞する太一に周防さんは告げる。
「君は」
「君も」
「持ってるものを無視しすぎだ」
「大阪までなにも言わずに来る そのお金を自由に使わせてくれるのは誰だ」
「緊張せず新幹線に乗れる男に育ててくれたのは誰だ」
「高校生の君が」
太一の頭に思い浮かんだのは、夕ご飯のメニューをスマホで太一に教える母の背中。
「ただの プレッシャーかけてくるだけの親ですよ
かるたやってるってわかったらまたうるさい
大阪なんてバレたってまたうるさい」
顔を赤くしてそう告げる太一の鞄に、名人はきんつばをそっと入れる。
「つきあってくれてありがとう またね」
帰りの新幹線に乗る太一。
携帯には、千早からのメール。
第157首で千早が打っていた「準決勝まで進んだよ」という宛先も件名もないメールは、やっぱり太一あてだったことが判明。
それを見て、
すげえ 強いじゃん
おれがいなくても
と思う太一。
その脳裏には、
君は 持ってるものを無視しすぎだ
という周防さんの言葉が。
太一はその指をすべらせて、そのまま母親に電話をかける。
『ハイ もしもし』
と電話に出た母に、
「夕飯いらないから」
を伝えようとした太一は、
『あなた いま どこにいるの』
『なにをしてるの?!なんで大阪?!』
とすっかりつかまる。
「でも今日中に帰るし・・・」
と口にした太一の耳に聞こえたのは、畳を叩く音。
どうやら太一からの電話で、太一母はある会場から出ようとしているよう。
「か…母さんこそ どこにいんの…」
との太一の問いに。
「どこって…」
と答えた太一母がいるのは、勧学館のロビー。
やっぱりあの帽子の女性は太一母でした。
「あなたが 朝早くに いつもと違うカバン持って出ていくから
全国大会に行ったんじゃないかって
近江神宮にいるんじゃないかって 思ったんじゃないの…」
その答えを耳にして、頬を紅潮させる太一。
そこへ、かなちゃん母、千早母が
「あらっ真島さん いらしてたんですか」
と駆け寄る。
「見てないともったいないですよ 最後の試合なんですよ」
と言われ、
「うちの子 出てないんで 見ても仕方ないですよ」
と返す太一母に、
「ここまで来といてそれはないでしょう 応援しましょうよ!」
とうながす二人。
太一母は電話にむかって
「太一 あなたがいないせで 瑞沢負けたわよ」
と告げる。
「いま3位決定戦」
『間もなくー京都に到着です』
「ねえ 千早ちゃんが戦ってるのって あの子でしょ?」
「あの福井の メガネの子」
その言葉を耳にした太一の眼の前で、京都駅に着いた新幹線のドアが開く―――
走馬灯のように、小学生の時の思い出がよみがえる。
「1枚もとらせんよ」との新の挑戦を受けたこと。
メガネを隠したこと。
3人で落ち葉に寝転がったこと。
新幹線から飛び出す太一。そしてそのかばんの中には喜八洲総本舗のきんつばが・・・・・・
一方、勧学館。
おれの名前は 松林舜
と、舜のモノローグより始まります。
舜と滉は双子でないのに同学年で、ずっと比べられて育ってきて、
でもやっぱり1年近くリードしている舜のほうがなんでも良くでき女子にもモテたらしい。
かわいそうなのは キツいのは滉のほうだと思ってた
でも
かるたの団体戦で、ピンチに声が出るのは、気持ちが強いのは、滉のほう。
『すげえよ 滉 おれなんか』
舜が眼をやるのは、新と千早のガチンコ勝負。
大迫力の競り合いに、大きな動きを見せたのは千早。
その様子を見て、焦りを顔に浮かべるのは村尾さん。
『新が 序盤から 5枚もリードを許してる?』
舜は青ざめている。
『劣勢の新兄ちゃんなんか 見たことないから それだけでもう 心折れる…』
新は、ただ千早を見つめている。
次々と仲間にかけられる、千早の声。
「いいね かなちゃん 2枚リード」
「机くん 守りよかったよ」
「田丸さん 次も取れるよ」
(む?肉まん君はスルーか?)
「落ち着いて さあ行くよ」
これが 千早?
戸惑う新を見下ろすように。
「行くよ 瑞沢」
告げる、千早・・・・・・
■5号(2/15発売)に続く■
ということで!
末次先生のおっしゃる「あの子たち」には、
勿論熱い戦いを繰り広げる高校生たちみんなが含まれることと思いますが、
そのなかでも、千早、新、太一の3人がくっきり浮かんでくるように思いました。
太一のなかに、やっと、いよいよ、3人の時間が戻ってきました。
いよいよ、3人が、ひさびさに、顔を合わせます・・・!
京都駅から大津京駅までは電車で11分。
大津京駅からタクシー飛ばせば、勧学館までは京都駅から30分強で行ける感じでしょうか?
かるたの試合はだいたい1時間半くらいだと思うので、太一、ばっちり間に合いそうですね。
以下、感想および気になる点です。
① 戻ってきそうな太一
どこか新に対して敵愾心をもっていた太一のなかで、ようやく、千早と新と3人の「チーム」がよみがえってきた気がして、とても嬉しかったです。
人はみな、どこかしら自分より優れたところを持っているもの。
それを、自分もそうでなければいけないように己に課すのは太一の厳しさで、良いところです。
でも新に対して、名人に対して、詩暢ちゃんに対して。
そこが頑ななまでになってしまっていた太一に、太一自身の持っている素晴らしいものを気づかせた名人。
その導きに素直に従った結果、自分のなかにずっとあった大切なものに気がついた(と思われる)太一。
そんな流れを思わせます。
3人の時間が、早く戻りますように・・・!
② 名人の「君も」。
持ってるものを無視しすぎ、と太一に告げた名人の、「君も」という台詞。
「も」ということは他にもいるということで。
誰だろう、ということが気になります。
名人の近くの人なのでしょう。
詩暢ちゃんも新も、自分の持っているものが見えていないようには見えないので、
もしかしたら千早のことかな・・・?
気になります。
③ 「またね」と告げる名人は、まるで別れを告げているように見えます。
「師を持たない人間は 誰の師にもなれんのだ」とは、北野先生の台詞ですが、
太一に対する周防さんは、かるたにおいても、生き方においても、立派な師なのではと。
周防さんも、かるたでの師はいませんが、兼子さんという人生の師はいるわけです。
だから、太一の師になれる。
内田樹さんの言葉に、
「苦役でありかつ至福であるような経験。
もっとも人間的な経験はたいていそういう質のものである。
親の仕事の目的は、子どもが「親を必要としなくなる」ことである。
自分の存在理由を消去するために全力を尽くす。
そのような仕事だけが真に人間的な仕事である。」
というのがありますが、まさに、「師の目的は弟子が師を必要としなくなる(そしていずれ「師」となる)」こと。
「またね」と太一に静かに微笑んでいるように見える(でも顔がはっきりとは見えない)周防さんは、
「もう君に僕は必要ないよ」とその背中を押しているように感じるのですが・・・・・
と、勝手に妄想してしまいましたが、普通に白山会館でふたりでかるたをとっていたらすみません(笑)。
④ 太一母
いつもと違うカバンだ、ということをきちんと見ていた母。
そして全国大会の日程をしっかり掴んでいた母。
これは前のエピソードですが、沈んでいるように見える息子に、好物を夕ご飯に作って待つ母・・・
小学生時代の太一母は、うわ、苦手!と誰もが思うような人でしたが、やっぱりそこは人の親。
高校生の息子の心にしっかり沿おうとしているところ、息子の一生懸命なものを大事にしようとするところ、じーん、ときます。
⑤ 喜八洲総本舗のきんつば。
私、これ、大っ好きなんです、
(あ、みたらし団子も!)
それが本編に再登場して大事なお役目を担ってあんまり嬉しかったので、
実は、先に、私に喜八洲のすばらしさを教えてくださった師匠にお伝えしてしまいました。
その時は、太一はきんつばを母に渡すもの、とばかり思っていたのですが、
その師匠様が新の名前を出されたことで、おや、もしかしたら??と思いついたことが。
千早と太一が始めて福井を訪れた際の「おみやげ」を発端として?、
新から千早と太一にもたらされた「おみやげ」。
全国大会1年のときは、羽二重餅。(これほんとに美味しい…)
2年のときは、酒まんじゅう。
そしてもしかしたら3年目は、太一から齎されるのかも?なんて。
でももとは貰い物ですし・・・やっぱり太一母の手に渡るかな?
⑥ 最後の千早の表情
ここは、読者で意見が分かれそうな気がします。
最後、「行くよ 瑞沢」と告げる千早には、暗い陰がつき、キラキラと輝いては描かれていません。
少し怖い雰囲気すらします。
ここから、私が思いつく方向性は2つ。
1.怖く感じるのは、新の視点だから。
チームとして初めての全国大会である藤岡東。
そしてやはり団体戦経験の浅い新からしたら、今回は準決勝で敗れたとは昨年優勝の瑞沢は大きな敵。
新よりリードするだけではなく、メンバーひとりひとりに声をかけているその余裕が、
新にとっては脅威に感じられる、というイメージです。
この場合、千早は不動で、新のほうがむしろ千早から多くを学ぶ方向になりそう?
2.千早が良くない方向にいっているから。
1とは真逆ですが、決勝に進めなかったことで、より、太一の不在=自分のリーダー力不足を
痛いほど思い知った千早が、自分に「強くあること」「リーダーであること」を課すことで、
行ってみれば闇落ちのようになってしまっている、という解釈。
・「これが 千早?」という新が、焦ってはいなさそうで、むしろ千早の異常をいぶかしんでいるような感じなこと。
・千早が声を掛ける対象に肉まん君がいないこと
→ 肉まん君は新・太一と同じ小学校からの付き合いなので、この後千早の異常に気付く流れ?
もしこの2の方向であれば、何かをきっかけに(それが太一の登場?)、
新が千早に「かるたは楽しい」と思い出させて、勝たねばという呪縛を解く、という流れになりそうな気もします。
さて、どちらになるでしょう・・・!
いよいよ太一の道も交わるので、次回はかならず近江神宮1本になるはず。
楽しみです。
拍手コメントありがとうございます^^。
第160首、胸熱でしたよね・・・!その続きが半月で読めるなんて、嬉しいですよね!
さて待ちに待った、その第160首の続きです…!
先にびらぶ4号の周辺情報を。
① 「ちはやふる」上の句試写会が、大津であるそう!
いいな・・・!行きたいな・・・!
キャストの登壇はない予定だそうですが、ぜひお近くの方申し込んでみてくださいませ。
(私は前号の試写会を申込みました。当たるといいのですが・・・!)
② そして!なんと!
ちはやふるラッピングトレインが、復活!
わーい、嬉しい!
前回乗り損ねていて、とってもとっても残念だったのです。
出発式は2/26、大津の試写会と同じ日だそうです。
うう・・・いいな・・・
写真は、昨年のラッピングトレインが載っていましたが、
「新しいラッピングは果たして?!」とあるので変わるのでしょうね。
うう、今回こそどこで乗りに行きたい・・・!
③ 裏表紙の返しには、「講談社26誌 連合試写会」が!
2000組4000名に当たるそうで、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の会場です。
(えっ福井がない!)
新は上の句あんまり出てこないと聞いていますが、
下の句には出てくるはずと思うので、下の句は福井でも試写やってほしい・・・!
下の句は4/29公開なので、春の芦原温泉ちはやweekで、花見とともにやったりしないかな・・・。
そしたら予定が合えばぜひ行きたいです。
さて。
末次先生、先日twitterでこう仰ってました。
「今発売中のBE LOVE3号、とてもとても物語的に大事な回です。
30巻を読んだ直後の皆さんも、うっかり読んだらいい…大変なことになってるから。
描きながら「これは大変なことになったな…」と思ってしまったくらい。
あの子たちの運命にぜひみなさん付き合ってやって下さい。」
「あの子たち」。
私の中では漠然と複数でイメージされていたのが、161首を読んだ後、くっきりとその姿が浮かんできた気がします。
161首も、熱い回でした。
***以下、本誌も161首もネタバレですので、ご注意ください。***
161首も扉なし、いきなり本編スタートです。
団体戦の決勝と3位決勝戦が行なわれる勧学館。
どうして
どうして
菫ちゃんとかなちゃんは繰り返す。
どうしてここにいないの 真島先輩
真島部長だけなのに きっと この対戦の
本当の意味がわかるのは 真島部長だけなのに
向かい合う、千早と新。
千早と新の真剣なまなざし。
そして、太一――――
テレビ番組は実験等を終えてトークタイム収録中。
唇をとがらせているのは、名人と詩暢ちゃん。
ひらがなの置かれた場所を暗記したあと、その場所を示す反応速度を計る実験では、
ふたりとも平均的大学生を大きく下回る結果ということに不満を表明しているらしく・・・・
「しかし やり方を変えるとその結果が反転するんです」
文字の一部を逆向きにおいたり、指示する文字を見るのではなく「聞く」場合、
ふたりの反応速度は格段にあがったという。
まさしく、競技かるたのスタイルに特化して磨かれた能力、ということに。
スポットライトの外で、
「ねえ君も札がひっくり返っても同じように見えてるの?」
とスタッフさんに聞かれ、「あ…そうですね」と答える太一。
太一の眼は引き続き名人とクイーンに。
「あとぼくは 読手さんの声で〝色〟が見えて というか 聴こえて?
同じ色の札を取りに行くことがあります」
と、名人。
「い…色が…聴こえる…」
と度肝を抜かれた司会者。
そこへ。
「うちは 札はみんな こんくらいの 小さな神様みたいに見えてます」
とにっこりと語る詩暢ちゃん。
「擬人化ですか?」
「最初50人もいるから 超うるさいです」
「話すんですか?」
「みんな とっても かわいくて わがままです♡」
不思議ちゃんだ!
歴代クイーンはたいてい不思議ちゃんって有名だもんな
とすっかり詩暢ちゃんシフトになるスタッフ。
あれこれお喋りする、札の小さな神様たち。
その神様たちの小さな手と指で握手する詩暢ちゃん。
その、愛おしげな表情。
「この子たちと この札たちと 離れずに生きていくのが 私の夢です」
そんな詩暢ちゃんを見つめる太一。
涙をこぼしながらの詩暢ちゃんの「私の夢です」には、スタッフさんたちもしびれてすっかり応援団に。
『僕の番組だったのに』と和菓子をほうばる名人。
『詩暢の番組になったわ』とお母さんはガッツポーズ。
太一の脳裏によみがえるのは「あれは努力の人だよ」という名人の言葉。
その太一の前で、詩暢ちゃんは札の枚数チェックのように見えながらも、百枚の札に挨拶をしていた。
『ここまで 札を愛しいと思ったことがあるか?』
自分に問いかける太一。
「君はどうするの ぼくはおやつ食べにいくけど」という周防さんに「帰ります」と告げる太一。
〝努力の人〟
近づけるような気がしたって
結局見るのは絶望だ
ああはなれない
ああはなれない
ぎゅっと目を瞑る太一の耳に入っていたのは、スタッフの言葉。
「ああはなれないよなあ だって・・・」
「でもさーがんばってもなれねえレベルだろー」
太一は、はっと目を見開く。
「だって」と「でも」は
男が使う言葉じゃありません
母の言葉を思い出したところで――
目の前に突き出されたのは、喜八洲総本舗のきんつばの包み。
名人が「おみやげ 親御さんに」と言って渡そうとするのに、
「は?!いりませんよ」と断る太一。
固辞する太一に周防さんは告げる。
「君は」
「君も」
「持ってるものを無視しすぎだ」
「大阪までなにも言わずに来る そのお金を自由に使わせてくれるのは誰だ」
「緊張せず新幹線に乗れる男に育ててくれたのは誰だ」
「高校生の君が」
太一の頭に思い浮かんだのは、夕ご飯のメニューをスマホで太一に教える母の背中。
「ただの プレッシャーかけてくるだけの親ですよ
かるたやってるってわかったらまたうるさい
大阪なんてバレたってまたうるさい」
顔を赤くしてそう告げる太一の鞄に、名人はきんつばをそっと入れる。
「つきあってくれてありがとう またね」
帰りの新幹線に乗る太一。
携帯には、千早からのメール。
第157首で千早が打っていた「準決勝まで進んだよ」という宛先も件名もないメールは、やっぱり太一あてだったことが判明。
それを見て、
すげえ 強いじゃん
おれがいなくても
と思う太一。
その脳裏には、
君は 持ってるものを無視しすぎだ
という周防さんの言葉が。
太一はその指をすべらせて、そのまま母親に電話をかける。
『ハイ もしもし』
と電話に出た母に、
「夕飯いらないから」
を伝えようとした太一は、
『あなた いま どこにいるの』
『なにをしてるの?!なんで大阪?!』
とすっかりつかまる。
「でも今日中に帰るし・・・」
と口にした太一の耳に聞こえたのは、畳を叩く音。
どうやら太一からの電話で、太一母はある会場から出ようとしているよう。
「か…母さんこそ どこにいんの…」
との太一の問いに。
「どこって…」
と答えた太一母がいるのは、勧学館のロビー。
やっぱりあの帽子の女性は太一母でした。
「あなたが 朝早くに いつもと違うカバン持って出ていくから
全国大会に行ったんじゃないかって
近江神宮にいるんじゃないかって 思ったんじゃないの…」
その答えを耳にして、頬を紅潮させる太一。
そこへ、かなちゃん母、千早母が
「あらっ真島さん いらしてたんですか」
と駆け寄る。
「見てないともったいないですよ 最後の試合なんですよ」
と言われ、
「うちの子 出てないんで 見ても仕方ないですよ」
と返す太一母に、
「ここまで来といてそれはないでしょう 応援しましょうよ!」
とうながす二人。
太一母は電話にむかって
「太一 あなたがいないせで 瑞沢負けたわよ」
と告げる。
「いま3位決定戦」
『間もなくー京都に到着です』
「ねえ 千早ちゃんが戦ってるのって あの子でしょ?」
「あの福井の メガネの子」
その言葉を耳にした太一の眼の前で、京都駅に着いた新幹線のドアが開く―――
走馬灯のように、小学生の時の思い出がよみがえる。
「1枚もとらせんよ」との新の挑戦を受けたこと。
メガネを隠したこと。
3人で落ち葉に寝転がったこと。
新幹線から飛び出す太一。そしてそのかばんの中には喜八洲総本舗のきんつばが・・・・・・
一方、勧学館。
おれの名前は 松林舜
と、舜のモノローグより始まります。
舜と滉は双子でないのに同学年で、ずっと比べられて育ってきて、
でもやっぱり1年近くリードしている舜のほうがなんでも良くでき女子にもモテたらしい。
かわいそうなのは キツいのは滉のほうだと思ってた
でも
かるたの団体戦で、ピンチに声が出るのは、気持ちが強いのは、滉のほう。
『すげえよ 滉 おれなんか』
舜が眼をやるのは、新と千早のガチンコ勝負。
大迫力の競り合いに、大きな動きを見せたのは千早。
その様子を見て、焦りを顔に浮かべるのは村尾さん。
『新が 序盤から 5枚もリードを許してる?』
舜は青ざめている。
『劣勢の新兄ちゃんなんか 見たことないから それだけでもう 心折れる…』
新は、ただ千早を見つめている。
次々と仲間にかけられる、千早の声。
「いいね かなちゃん 2枚リード」
「机くん 守りよかったよ」
「田丸さん 次も取れるよ」
(む?肉まん君はスルーか?)
「落ち着いて さあ行くよ」
これが 千早?
戸惑う新を見下ろすように。
「行くよ 瑞沢」
告げる、千早・・・・・・
■5号(2/15発売)に続く■
ということで!
末次先生のおっしゃる「あの子たち」には、
勿論熱い戦いを繰り広げる高校生たちみんなが含まれることと思いますが、
そのなかでも、千早、新、太一の3人がくっきり浮かんでくるように思いました。
太一のなかに、やっと、いよいよ、3人の時間が戻ってきました。
いよいよ、3人が、ひさびさに、顔を合わせます・・・!
京都駅から大津京駅までは電車で11分。
大津京駅からタクシー飛ばせば、勧学館までは京都駅から30分強で行ける感じでしょうか?
かるたの試合はだいたい1時間半くらいだと思うので、太一、ばっちり間に合いそうですね。
以下、感想および気になる点です。
① 戻ってきそうな太一
どこか新に対して敵愾心をもっていた太一のなかで、ようやく、千早と新と3人の「チーム」がよみがえってきた気がして、とても嬉しかったです。
人はみな、どこかしら自分より優れたところを持っているもの。
それを、自分もそうでなければいけないように己に課すのは太一の厳しさで、良いところです。
でも新に対して、名人に対して、詩暢ちゃんに対して。
そこが頑ななまでになってしまっていた太一に、太一自身の持っている素晴らしいものを気づかせた名人。
その導きに素直に従った結果、自分のなかにずっとあった大切なものに気がついた(と思われる)太一。
そんな流れを思わせます。
3人の時間が、早く戻りますように・・・!
② 名人の「君も」。
持ってるものを無視しすぎ、と太一に告げた名人の、「君も」という台詞。
「も」ということは他にもいるということで。
誰だろう、ということが気になります。
名人の近くの人なのでしょう。
詩暢ちゃんも新も、自分の持っているものが見えていないようには見えないので、
もしかしたら千早のことかな・・・?
気になります。
③ 「またね」と告げる名人は、まるで別れを告げているように見えます。
「師を持たない人間は 誰の師にもなれんのだ」とは、北野先生の台詞ですが、
太一に対する周防さんは、かるたにおいても、生き方においても、立派な師なのではと。
周防さんも、かるたでの師はいませんが、兼子さんという人生の師はいるわけです。
だから、太一の師になれる。
内田樹さんの言葉に、
「苦役でありかつ至福であるような経験。
もっとも人間的な経験はたいていそういう質のものである。
親の仕事の目的は、子どもが「親を必要としなくなる」ことである。
自分の存在理由を消去するために全力を尽くす。
そのような仕事だけが真に人間的な仕事である。」
というのがありますが、まさに、「師の目的は弟子が師を必要としなくなる(そしていずれ「師」となる)」こと。
「またね」と太一に静かに微笑んでいるように見える(でも顔がはっきりとは見えない)周防さんは、
「もう君に僕は必要ないよ」とその背中を押しているように感じるのですが・・・・・
と、勝手に妄想してしまいましたが、普通に白山会館でふたりでかるたをとっていたらすみません(笑)。
④ 太一母
いつもと違うカバンだ、ということをきちんと見ていた母。
そして全国大会の日程をしっかり掴んでいた母。
これは前のエピソードですが、沈んでいるように見える息子に、好物を夕ご飯に作って待つ母・・・
小学生時代の太一母は、うわ、苦手!と誰もが思うような人でしたが、やっぱりそこは人の親。
高校生の息子の心にしっかり沿おうとしているところ、息子の一生懸命なものを大事にしようとするところ、じーん、ときます。
⑤ 喜八洲総本舗のきんつば。
私、これ、大っ好きなんです、
(あ、みたらし団子も!)
それが本編に再登場して大事なお役目を担ってあんまり嬉しかったので、
実は、先に、私に喜八洲のすばらしさを教えてくださった師匠にお伝えしてしまいました。
その時は、太一はきんつばを母に渡すもの、とばかり思っていたのですが、
その師匠様が新の名前を出されたことで、おや、もしかしたら??と思いついたことが。
千早と太一が始めて福井を訪れた際の「おみやげ」を発端として?、
新から千早と太一にもたらされた「おみやげ」。
全国大会1年のときは、羽二重餅。(これほんとに美味しい…)
2年のときは、酒まんじゅう。
そしてもしかしたら3年目は、太一から齎されるのかも?なんて。
でももとは貰い物ですし・・・やっぱり太一母の手に渡るかな?
⑥ 最後の千早の表情
ここは、読者で意見が分かれそうな気がします。
最後、「行くよ 瑞沢」と告げる千早には、暗い陰がつき、キラキラと輝いては描かれていません。
少し怖い雰囲気すらします。
ここから、私が思いつく方向性は2つ。
1.怖く感じるのは、新の視点だから。
チームとして初めての全国大会である藤岡東。
そしてやはり団体戦経験の浅い新からしたら、今回は準決勝で敗れたとは昨年優勝の瑞沢は大きな敵。
新よりリードするだけではなく、メンバーひとりひとりに声をかけているその余裕が、
新にとっては脅威に感じられる、というイメージです。
この場合、千早は不動で、新のほうがむしろ千早から多くを学ぶ方向になりそう?
2.千早が良くない方向にいっているから。
1とは真逆ですが、決勝に進めなかったことで、より、太一の不在=自分のリーダー力不足を
痛いほど思い知った千早が、自分に「強くあること」「リーダーであること」を課すことで、
行ってみれば闇落ちのようになってしまっている、という解釈。
・「これが 千早?」という新が、焦ってはいなさそうで、むしろ千早の異常をいぶかしんでいるような感じなこと。
・千早が声を掛ける対象に肉まん君がいないこと
→ 肉まん君は新・太一と同じ小学校からの付き合いなので、この後千早の異常に気付く流れ?
もしこの2の方向であれば、何かをきっかけに(それが太一の登場?)、
新が千早に「かるたは楽しい」と思い出させて、勝たねばという呪縛を解く、という流れになりそうな気もします。
さて、どちらになるでしょう・・・!
いよいよ太一の道も交わるので、次回はかならず近江神宮1本になるはず。
楽しみです。
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COMMENT
無題
福ら雀さん、こんにちは、お邪魔いたします。
今回は太一の視界をずっと覆っていた靄に薄陽が射したようでホロリとしました。(;_; )
しかも、鬼のように強い変人の名人という印象ばかりが先行してい受けた周防さんも、自らの生い立ちを踏まえた上で弟子に指針を与えてあげられる人間味のあるひとだとわかって、そういう意味でも物語的に大事な回だったなあと思った次第です。
そして「喜八洲のきんつば」がまさかの再登場、しかもあの甘味大王の周防さんがスタジオに複数置いてあった数あるお菓子の中から喜八洲を選んでくれた事に、大阪人(と言いつつ今は住んでませんが!)としてとしては嬉しさを抑えきれません!(≧▽≦)
しかももしかすると大事な役割を果たすかもしれない可能性を帯びているというシチュエーション。はたして、太一の携えたきんつばは誰の手に渡るのでしょうか。(ストレートに太一母でもそれはそれで嬉しいですけども。(^^))
機会がありますれば福ら雀さまと喜八洲本店できんつばとみたらし団子のできたてをイートインしたいデスwww!
Re:無題
今回、太一本当によかったね…!と思います。
根っこではわかっていても素直になれず、もやもやしたまま抱え込んでいたものを吐き出すことができ、それを正しく受け止めてもらうことができ、自分の意志で近江神宮を目指すことができた。
本当、ホロリとしました…
そして周防さん。どこか人好きのする人だなあと思っていましたが、やっぱり「人を教える」立場の人なんだなあとしみじみしましたよね…
>そして「喜八洲のきんつば」がまさかの再登場
ね!まさかのですね。
前にりぶろさんから頂いた喜八洲のきんつば、本体は勿論、あの包み紙のデザインも大好きなので、再登場私も嬉しくて思わずりぶろさんに速報してしまった次第です(^^)/
甘味大王(笑)周防さんによりセレクトされ大事なお役目を課されたきんつばの今後も楽しみですよね…!
>機会がありますれば福ら雀さまと喜八洲本店できんつばとみたらし団子のできたてをイートインしたいデスwww!
な、なんと本店はイートインできるのですね!!本店といいますと十三でしょうか?!
わー行きたいです(*ノωノ)どうか叶いますように…!