ひねもす ちはやふる
HN福ら雀による、漫画「ちはやふる」に関する思ったことのつれづれ考察。 基本的に、否定より現状肯定、貶すより良いほうに捉えることをメインのスタンスとしています。感想より分析が好きです。 支部もやってます↓ http://www.pixiv.net/member.php?id=11693593
2017/10/9 恵比寿文化祭「ちはやふる」上の句下の句上映 小泉監督トークショーレポ
- 2017/10/13 (Fri) |
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10/9の恵比寿文化祭、ROBOTさんの部活映画特集上映「ちはやふる」に行ってきました!
http://www.robot.co.jp/special/ebisufes2017/
上の句下の句と2本続けて上映後は、小泉監督のスペシャルトークショー。
あらかじめ寄せられた質問に答えるという形式でしたが、
質問者に対しては真摯に、質問者以外にも大きな気づきがあるように、
全力で応えて下さった小泉監督に心からの喝采をお送りしつつ、レポします!
最後は写真もOKでした♪
「ちはやふる 〜結び〜」をひとことで言うと、という難しい質問に、
「青春映画の最高峰」!(+ちょっといいすぎかも?!)との小泉監督のコメント!
メモは9ページにわたってるので(上映会を当ててくれた娘に呆れられ候)、以下かいつまんで・・・
まずは新田真剣佑君の改名エピソードから!
・新田はこの新からとっている
・改名前日にLINE電話で改名します宣言がきた
・1回目はちょうどアメリカから来てちょうど役者業を始めようというタイミングだった。
あのルックスなので皆これはと思うけれど、面談したら日本語もたどたどしく、さすがにあと3か月では間に合わないなと落とした。
2回目は正式なオーディションで、受けに来てくれたけど1次で落とした。
それなのに「もう1回やってくれ」と頼まれ、2次で見たら、芝居がものすごく良くなってた。
いろんな人の門戸を叩いてご指導頂いたとのこと。
演技は巧くなかったけど、伸び率がすごかったので、その情熱に賭けた。
(門戸を叩いてあたり新とかぶるなあ)
一昨日アフレコで真剣佑に会ったとのことで、「真剣佑臭(いい匂い)がするかも」なんておっしゃってました。
さてその後、質問コーナー。
Q1.「ちはやふる」は呼吸音など音が印象的、何か音のこだわりは?
A.かるたを取材した第一印象は静寂だった。上の句を読む直前の一瞬の完全な静寂。
完全な静寂はTVではできない(周囲の物音がするから)けど映画ならできる。
だから映画で再現しなければと思った。
実際やってみて、音がないことによる緊張感を感じた。音がないことを際立たせるための効果音活用も。
Q2.千早がかるたを飛ばすシーンはなぜスローで無音?
A2.並みの人にかるたの速さは速すぎてわからない。
並みのカメラでも撮れないのでアクション映画で使うハイスピードカメラを部活映画に持ってきて撮影した。
照明機材も人手も要ってとてもお金がかかるのでプロデューサーさんのおかげ。
Q3.「ちはやふる」は色がとても綺麗で好きなのですが色のエピソードは?
A3.千年前の源氏物語絵巻は今は色褪せているが、当時を復元した絵巻の色はめちゃめちゃ色鮮やか。
絵具のない時代なのに、貝殻の染料などで鮮やかなものを作っていた。
そのイメージがあり色鮮やかな世界にしたかった。
特に赤は、ワインレッドや日本的な朱色など何種類も使ってこだわりが。
クイーン戦の千早の着物も直前まで衣装班と話し合い、深い赤色を用意していたのを変えて、結果あのマットな朱色になった。
Q4.(小学生男子より)なんで百人一首の映画を作ろうと思ったんですか?好きだから?
A4.百人一首のことをよく知らないので、知りたいと思ったから撮った。
知れば知るほど日本のルーツはこれということばかりで、西野カナやperfumeみたいなJ-popの究極のベストアルバム。
これを物語に組み込めるのは他の青春映画にない強み。
しかもたった三十一文字。濃縮されたすごい情報量を組み込み放題だから数段上の物が作れると思った。
映画としては少女漫画原作ということでライトな見え方をしているが、中身はけっこう本当のことを言っていると思う。
小学生で百人一首を覚えたなら、中学生位になったらその意味をぜひ読み直してみて欲しい。
Q5.(俳優志望の小学生の子)小さい頃本や映画をよくみていましたか?役に立ちましたか?
A5.そんなには読んだり見たりしていない。
スポーツはやっていたけれど、そんなに真剣にはやっていなかった。
「こうなりたかったな」という思いがあるから、この映画が作れたのかも。
映画も、あるきっかけで映画作りを知り、その面白さに目覚めてからいろいろ見始めた。
音楽も映画も詳しくないので、一生懸命勉強した時期もあった。
けれど、ある音楽プロデューサーの、
「音楽をたくさん聞いて自慢してくる奴はいっぱいいる。
でも、大事なのは見た数や読んだ数ではなく、好きであるかどうかですらない。
感じられるかどうかが大事」
という話を聞き、そうだなと思った。
数は少なくても、どれだけ感じたか、影響を受けたかだ。
1本1本大事にし、これだと思った本は繰り返し読み、作者の意図を汲んだりするのが、少ない本数でもとても役に立っている。
テクニックではなく「なぜかるたをやるのか」みたいな方向で。
どれだけ真剣に映画を観るか、真剣に生きているかが大事だと思う。
Q6.小説を書いているのですが、どうしたらよい場面が思いつきますか?
(実はうちの娘の質問でした^^;)
A6.そんな方法があったら自分も知りたいけど、都合のよい魔法はない。
「そんな簡単には思いつかない」と知ることが大事かもしれない。
ずーっと一日中そのことばかり考えていて、ようやっと出てくるかも。
映画はひとりで作るものではないから、休憩のつもりで書いたシーンがすごく良くなることもあるしその逆もある。
思いついた後も大事。
全体を描いたあと自分が良いと思っていたシーンが邪魔をしていたら、捨てる勇気を持つこと。
「ちはやふる」も、意識的にひとりひとり良いシーンを作ろうと思ったわけではない。
自然とそういうふうに筆が動いていた。
千早、新、太一だけの映画じゃないという思いがあったからかも。
とにかく1回良いと思うシーンを書いてみて寝かせておいて、他のシーンを書いてから見直して書き直しまくる。
真剣にコメントしてくれる人に読んでもらうのも大事。
ものすごく意外なことを言われると思うよ。
Q7.監督の映画は少女漫画原作でもティーン向けではなく全年齢向けの映画になっている。気をつけていることは?
A7.少女漫画原作であることは忘れ、固定観念を外す。
ストーリーが何を描きたいのか本質を摑むこと。何出身かは関係ない。
(「漫画原作なんでーテヘペロ」になってはだめ)
原作者との関係も大事。原作へのラブレター(よいしょ)でも、挑戦状(超えようとして破壊する)でもなく共犯者、一緒に作り上げていく関係が良い。
「この漫画ここは面白いけどここは足りてないよね」と思う点に眼を背けず、「作者は本当はこうしたかったんじゃないか」「こうのほうが面白いのに」と妄想して書いたプロットは評価されることが多い。
原作忠実だと逆にNOを出されたりも。
「カノ嘘」も、もっとスイートなものを想像されていた。
初号試写でイメージが違うので会場がざわついた。「思ってたのと違う!」
健君にとっても違っていたみたい。
Q8.広瀬すずちゃんの素晴らしいところ、尊敬するところは?
A8.稀有な才能。
「こっちに行けば食べ物がある」と察知する動物的な頭の良さがある、でも鼻にかけない。すごい頑張り屋。
本人に悪意はかなしいほどなく、天然。
女優に限らず、何に対しても極めるということが無理なくできる才能がある。
この映画をとったときはまだ17歳。
自分が17歳のとき、大人に囲まれてプレッシャーのかかる仕事をするような神業が出来たか、できるわけがないと思う。
だから、若手の役者さんはみな尊敬している。
清水尋也は当時まだ15歳だったし。
(ここから少し役者さんの話へ)
ちはやふるに出た皆、みんなブレイクしていて、振り返ればいる。
何も知らずに「君の膵臓を食べたい」を見に行ったら矢本くんがいてびっくりした。
「あさひなぐ」には森永くんが。
森永くんがいるので、「あさひなぐ」は小泉監督作品との誤解がある。
そして2018年春公開「結び」についての小泉監督コメント!
「来週発表することが多くあまり言えないけれど、音楽も大分出来上がり最後の段階。
編集は終わっていて改めて今日上下を見て、思った以上のシンクロ率に自分を褒めてあげたい。
ここは結びのあそこのためのシーンだったんだと思う所とか。
「結び」製作が決まった時、どうしよう、上下で全部いいとこやっちゃったしなと思ったが、まだやり残したことはあった。
上下は宿題を残しつつ終わっているので、「結び」は、その宿題のうちこれだと思う一つを選んでいる。
上下から「結び」はいろいろ繋がっていて楽しめる。
まだ「結び」を見ていない皆さんはいいなと思った。
キャストのクランクアップは卒業式、部活の引退みたいだった。
僕も現場で泣いたのは初めて。とあるシーンで泣けてきて、裏でこっそり泣いた。
新メンバーが4人もいて大変だったけれど、「結び」はいろいろな意味で上下のパワーアップ版。
皆すごい成長してた、3年生だし。皆の2年分の成長が見られる作品。
野村周平君も成長してた。彼のいいところは今回全部出たと思う。
http://www.robot.co.jp/special/ebisufes2017/
上の句下の句と2本続けて上映後は、小泉監督のスペシャルトークショー。
あらかじめ寄せられた質問に答えるという形式でしたが、
質問者に対しては真摯に、質問者以外にも大きな気づきがあるように、
全力で応えて下さった小泉監督に心からの喝采をお送りしつつ、レポします!
最後は写真もOKでした♪
「ちはやふる 〜結び〜」をひとことで言うと、という難しい質問に、
「青春映画の最高峰」!(+ちょっといいすぎかも?!)との小泉監督のコメント!
メモは9ページにわたってるので(上映会を当ててくれた娘に呆れられ候)、以下かいつまんで・・・
まずは新田真剣佑君の改名エピソードから!
・新田はこの新からとっている
・改名前日にLINE電話で改名します宣言がきた
・1回目はちょうどアメリカから来てちょうど役者業を始めようというタイミングだった。
あのルックスなので皆これはと思うけれど、面談したら日本語もたどたどしく、さすがにあと3か月では間に合わないなと落とした。
2回目は正式なオーディションで、受けに来てくれたけど1次で落とした。
それなのに「もう1回やってくれ」と頼まれ、2次で見たら、芝居がものすごく良くなってた。
いろんな人の門戸を叩いてご指導頂いたとのこと。
演技は巧くなかったけど、伸び率がすごかったので、その情熱に賭けた。
(門戸を叩いてあたり新とかぶるなあ)
一昨日アフレコで真剣佑に会ったとのことで、「真剣佑臭(いい匂い)がするかも」なんておっしゃってました。
さてその後、質問コーナー。
Q1.「ちはやふる」は呼吸音など音が印象的、何か音のこだわりは?
A.かるたを取材した第一印象は静寂だった。上の句を読む直前の一瞬の完全な静寂。
完全な静寂はTVではできない(周囲の物音がするから)けど映画ならできる。
だから映画で再現しなければと思った。
実際やってみて、音がないことによる緊張感を感じた。音がないことを際立たせるための効果音活用も。
Q2.千早がかるたを飛ばすシーンはなぜスローで無音?
A2.並みの人にかるたの速さは速すぎてわからない。
並みのカメラでも撮れないのでアクション映画で使うハイスピードカメラを部活映画に持ってきて撮影した。
照明機材も人手も要ってとてもお金がかかるのでプロデューサーさんのおかげ。
Q3.「ちはやふる」は色がとても綺麗で好きなのですが色のエピソードは?
A3.千年前の源氏物語絵巻は今は色褪せているが、当時を復元した絵巻の色はめちゃめちゃ色鮮やか。
絵具のない時代なのに、貝殻の染料などで鮮やかなものを作っていた。
そのイメージがあり色鮮やかな世界にしたかった。
特に赤は、ワインレッドや日本的な朱色など何種類も使ってこだわりが。
クイーン戦の千早の着物も直前まで衣装班と話し合い、深い赤色を用意していたのを変えて、結果あのマットな朱色になった。
Q4.(小学生男子より)なんで百人一首の映画を作ろうと思ったんですか?好きだから?
A4.百人一首のことをよく知らないので、知りたいと思ったから撮った。
知れば知るほど日本のルーツはこれということばかりで、西野カナやperfumeみたいなJ-popの究極のベストアルバム。
これを物語に組み込めるのは他の青春映画にない強み。
しかもたった三十一文字。濃縮されたすごい情報量を組み込み放題だから数段上の物が作れると思った。
映画としては少女漫画原作ということでライトな見え方をしているが、中身はけっこう本当のことを言っていると思う。
小学生で百人一首を覚えたなら、中学生位になったらその意味をぜひ読み直してみて欲しい。
Q5.(俳優志望の小学生の子)小さい頃本や映画をよくみていましたか?役に立ちましたか?
A5.そんなには読んだり見たりしていない。
スポーツはやっていたけれど、そんなに真剣にはやっていなかった。
「こうなりたかったな」という思いがあるから、この映画が作れたのかも。
映画も、あるきっかけで映画作りを知り、その面白さに目覚めてからいろいろ見始めた。
音楽も映画も詳しくないので、一生懸命勉強した時期もあった。
けれど、ある音楽プロデューサーの、
「音楽をたくさん聞いて自慢してくる奴はいっぱいいる。
でも、大事なのは見た数や読んだ数ではなく、好きであるかどうかですらない。
感じられるかどうかが大事」
という話を聞き、そうだなと思った。
数は少なくても、どれだけ感じたか、影響を受けたかだ。
1本1本大事にし、これだと思った本は繰り返し読み、作者の意図を汲んだりするのが、少ない本数でもとても役に立っている。
テクニックではなく「なぜかるたをやるのか」みたいな方向で。
どれだけ真剣に映画を観るか、真剣に生きているかが大事だと思う。
Q6.小説を書いているのですが、どうしたらよい場面が思いつきますか?
(実はうちの娘の質問でした^^;)
A6.そんな方法があったら自分も知りたいけど、都合のよい魔法はない。
「そんな簡単には思いつかない」と知ることが大事かもしれない。
ずーっと一日中そのことばかり考えていて、ようやっと出てくるかも。
映画はひとりで作るものではないから、休憩のつもりで書いたシーンがすごく良くなることもあるしその逆もある。
思いついた後も大事。
全体を描いたあと自分が良いと思っていたシーンが邪魔をしていたら、捨てる勇気を持つこと。
「ちはやふる」も、意識的にひとりひとり良いシーンを作ろうと思ったわけではない。
自然とそういうふうに筆が動いていた。
千早、新、太一だけの映画じゃないという思いがあったからかも。
とにかく1回良いと思うシーンを書いてみて寝かせておいて、他のシーンを書いてから見直して書き直しまくる。
真剣にコメントしてくれる人に読んでもらうのも大事。
ものすごく意外なことを言われると思うよ。
Q7.監督の映画は少女漫画原作でもティーン向けではなく全年齢向けの映画になっている。気をつけていることは?
A7.少女漫画原作であることは忘れ、固定観念を外す。
ストーリーが何を描きたいのか本質を摑むこと。何出身かは関係ない。
(「漫画原作なんでーテヘペロ」になってはだめ)
原作者との関係も大事。原作へのラブレター(よいしょ)でも、挑戦状(超えようとして破壊する)でもなく共犯者、一緒に作り上げていく関係が良い。
「この漫画ここは面白いけどここは足りてないよね」と思う点に眼を背けず、「作者は本当はこうしたかったんじゃないか」「こうのほうが面白いのに」と妄想して書いたプロットは評価されることが多い。
原作忠実だと逆にNOを出されたりも。
「カノ嘘」も、もっとスイートなものを想像されていた。
初号試写でイメージが違うので会場がざわついた。「思ってたのと違う!」
健君にとっても違っていたみたい。
Q8.広瀬すずちゃんの素晴らしいところ、尊敬するところは?
A8.稀有な才能。
「こっちに行けば食べ物がある」と察知する動物的な頭の良さがある、でも鼻にかけない。すごい頑張り屋。
本人に悪意はかなしいほどなく、天然。
女優に限らず、何に対しても極めるということが無理なくできる才能がある。
この映画をとったときはまだ17歳。
自分が17歳のとき、大人に囲まれてプレッシャーのかかる仕事をするような神業が出来たか、できるわけがないと思う。
だから、若手の役者さんはみな尊敬している。
清水尋也は当時まだ15歳だったし。
(ここから少し役者さんの話へ)
ちはやふるに出た皆、みんなブレイクしていて、振り返ればいる。
何も知らずに「君の膵臓を食べたい」を見に行ったら矢本くんがいてびっくりした。
「あさひなぐ」には森永くんが。
森永くんがいるので、「あさひなぐ」は小泉監督作品との誤解がある。
そして2018年春公開「結び」についての小泉監督コメント!
「来週発表することが多くあまり言えないけれど、音楽も大分出来上がり最後の段階。
編集は終わっていて改めて今日上下を見て、思った以上のシンクロ率に自分を褒めてあげたい。
ここは結びのあそこのためのシーンだったんだと思う所とか。
「結び」製作が決まった時、どうしよう、上下で全部いいとこやっちゃったしなと思ったが、まだやり残したことはあった。
上下は宿題を残しつつ終わっているので、「結び」は、その宿題のうちこれだと思う一つを選んでいる。
上下から「結び」はいろいろ繋がっていて楽しめる。
まだ「結び」を見ていない皆さんはいいなと思った。
キャストのクランクアップは卒業式、部活の引退みたいだった。
僕も現場で泣いたのは初めて。とあるシーンで泣けてきて、裏でこっそり泣いた。
新メンバーが4人もいて大変だったけれど、「結び」はいろいろな意味で上下のパワーアップ版。
皆すごい成長してた、3年生だし。皆の2年分の成長が見られる作品。
野村周平君も成長してた。彼のいいところは今回全部出たと思う。
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